取消訴訟の訴訟要件とは?徹底解説|行政書士試験

取消訴訟の訴訟要件とは?徹底解説|行政書士試験
行政書士試験の行政法において、毎年のように問われる超重要テーマが「取消訴訟の訴訟要件」です。
記述式では、要件を正確に列挙できるか、択一では「どこで不適法になるか」を判断できるかが合否を分けます。
この記事では、行政事件訴訟法の条文を押さえつつ、試験で狙われやすいキーワードごとに取消訴訟の訴訟要件を整理していきます。
目次
- 取消訴訟の訴訟要件とは
- 処分性
- 原告適格
- 訴えの利益(狭義)
- 被告適格
- 出訴期間
- 管轄裁判所
取消訴訟の訴訟要件とは
訴訟要件とは、訴えが「適法」として裁判所に審理してもらうための前提条件をいいます。
裏を返すと、一つでも欠けると内容を判断してもらえず、却下(門前払い)になります。
取消訴訟の訴訟要件は、次の6つです。
- 処分性
- 原告適格
- (狭義の)訴えの利益
- 被告適格
- 出訴期間
- 管轄裁判所
行政書士試験では、「どの要件で落ちるか」を問う問題が頻出です。
それぞれを独立して正確に理解しましょう。
処分性
処分性とは何か
処分性とは、
「取消訴訟の対象となる行政庁の行為かどうか」
を判断する要件です。
取消訴訟の対象は、行政事件訴訟法3条2項で次のように定められています。
行政事件訴訟法3条2項
取消訴訟は、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為の取消しを求める訴訟とする。
この「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に該当すれば、処分性ありとなります。
- 対象になる → 処分性あり → 訴訟要件クリア
- 対象にならない → 処分性なし → 却下
原告適格
原告適格とは
原告適格とは、
「その人が取消訴訟を起こせる立場にあるか」
という要件です。
行政事件訴訟法9条1項は、次のように規定しています。
行政事件訴訟法9条1項
処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り、取消訴訟を提起することができる。
ポイントは「法律上の利益」です。
- 法律上の利益がある → 原告適格あり
- 事実上・感情的な不満だけ → 原告適格なし
ここも判例の積み重ねが重要で、行政書士試験では頻出分野です。
訴えの利益(狭義)
狭義の訴えの利益とは
狭義の訴えの利益とは、
取消判決によって、実際に権利救済が実現するか
という要件です。
- 取消されれば権利や地位が回復する → 訴えの利益あり
- 取消されても状況が変わらない → 訴えの利益なし
たとえば、
すでに処分の効果が消滅している場合などは、訴えの利益が否定されます。
被告適格
被告適格とは
被告適格とは、
誰を相手に取消訴訟を起こすのか
という問題です。
行政事件訴訟法11条1項は、次のように定めています。
行政事件訴訟法11条1項
取消訴訟は、処分をした行政庁を被告として提起する。
つまり原則は、
👉 処分をした行政庁=被告
これを間違えると、それだけで却下になります。
出訴期間
出訴期間とは
出訴期間とは、
取消訴訟を起こせるタイムリミットです。
行政事件訴訟法14条で、次の2つの期間が定められています。
行政事件訴訟法14条1項
取消訴訟は、処分又は裁決があったことを知った日から6か月以内に提起しなければならない。
同条2項
処分又は裁決の日から1年を経過したときは、取消訴訟を提起することができない。
出訴期間の整理
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 主観的期間 | 知った日から6か月 |
| 客観的期間 | 処分・裁決の日から1年 |
| 例外 | 正当な理由があれば経過後も可 |
期間は択一で特に狙われやすいポイントです。
管轄裁判所
管轄裁判所とは
管轄裁判所とは、
どこの裁判所に訴えを提起するかという問題です。
行政事件訴訟法12条により、原則と例外が定められています。
原則
行政事件訴訟法12条1項
被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所
または
処分・裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所
例外(国が被告の場合)
原告の普通裁判籍の所在地を管轄する
高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所
(特定管轄裁判所)
まとめ|取消訴訟の訴訟要件は「順番」で覚える
取消訴訟の訴訟要件は、次の順で確認するのが試験向きです。
- 処分性
- 原告適格
- 訴えの利益
- 被告適格
- 出訴期間
- 管轄裁判所
この順番で思考できるようになると、
記述式でも論理が崩れません。
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