法律による行政の原理とは?|行政書士試験

法律による行政の原理とは?|行政書士試験

行政書士試験の行政法では、毎年のように形を変えて問われるのが
**「法律による行政の原理」**です。

択一だけでなく、記述式での定義説明・概念整理が非常に狙われやすく、

  • 法律の法規創造力
  • 法律の優位
  • 法律の留保

この3つを正確に区別できるかが、合否に直結します。

本記事では、
①定義をコンパクトに整理 → ②全体像を表で一気に理解
という流れで解説します。


目次

法律による行政の原理とは

法律による行政の原理の意義

法律による行政の原理とは、
行政権の行使は、国会が制定した法律に基づいて行われなければならない、
という立憲主義に由来する基本原則です。

この原理は、

  • 行政権の恣意的行使を防ぐ
  • 国民の権利・自由を保障する

という点で、行政法全体を貫く考え方といえます。

そして、この原理は内容ごとに
3つの下位原則に分けて理解されます。


法律の法規創造力の原則

定義

法律の法規創造力の原則とは、
一般国民を直接拘束する法規範を創設できるのは、原則として法律のみである
とする原則です。

ポイント

  • 命令・条例は、単独で自由にルールを作れない
  • 国民の権利義務に直接影響する規範は、法律が基礎になる
  • 委任命令・委任条例の根拠となる考え方

👉「誰がルールを作れるのか」という権限の問題に着目すると理解しやすくなります。


法律の優位の原則

定義

法律の優位の原則とは、
行政の活動は、常に法律に反してはならない
という原則です。

ポイント

  • 法律に違反する行政処分・行政行為は違法
  • 法律 > 命令 > 処分 という法規範の序列が前提
  • 行政裁量があっても、法律の枠内でのみ許される

👉「法律に反していいかどうか」という内容面の統制が核心です。


法律の留保の原則

定義

法律の留保の原則とは、
行政が一定の行為を行うためには、あらかじめ法律の根拠が必要である
とする原則です。

ポイント

  • 特に国民の権利・自由を制限する場面で問題になる
  • 行政の積極的な行為が対象
  • どこまで法律の根拠が必要かが学説・判例で問題となる

👉「法律の根拠が要るかどうか」という発動要件の問題です。


三原則の違いを一気に整理|概念整理表

記述対策では、この表を頭に入れておくと非常に強いです。

原則名何を問題にするか内容の要点
法律の法規創造力誰が法規範を作れるか国民を直接拘束するルールは原則として法律のみが制定可能
法律の優位法律との抵触の有無行政は法律に反する行為をしてはならない
法律の留保法律の根拠の要否行政が行為をするには、原則として法律の根拠が必要

記述式での使い方(実戦イメージ)

記述では、次のような定型構造が頻出です。

「法律による行政の原理とは、行政権の行使が法律に基づいて行われるべきであるとする原則であり、法律の法規創造力、法律の優位、法律の留保の三原則から構成される。」

この一文を起点に、
設問に応じてどの原則を具体化するかが勝負になります。


まとめ|暗記ではなく「整理」で差がつく分野

法律による行政の原理は、

  • 名前が似ている
  • 抽象度が高い

という理由で混乱しがちですが、
「誰が作るか/反してよいか/根拠が要るか」
という視点で整理すれば、一気に理解できます。

行政書士試験の記述対策では、
定義 → 原則名 → 一言説明
この流れを自分の言葉で書けるようにしておきましょう。

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この記事の監修者

大山 悠太(おおやま ゆうた) 大山 悠太(おおやま ゆうた) 大山ゼミナール代表講師

【経歴】
2014年12月:宅地建物取引士大学在学中合格(独学3ヶ月)
2016年4月:同志社大学法学部法律学科卒業後、新卒で不動産デベロッパーへ入社。入社後はマンション売買営業、人事部で新卒採用業務に従事。
2018年1月:行政書士試験合格(独学6ヶ月1日1時間1発合格)
2019年5月:退職後、リンクス綜合法務行政書士オフィス開業
2022年6月:行政書士事務所を経営しながら、司法試験予備試験短答式試験合格
2022年11月:司法試験予備試験論文式試験民法上位4.6%
2022年12月:行政書士試験オンラインスクール開校(大山ゼミナール)
2023年1月:行政書士法人クローバー法務事務所へ法人化
【日本行政書士連合会登録番号】
第19261116号

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