抵当権(民法369条)とは?をわかりやすく解説|行政書士試験

抵当権(民法369条)とは?をわかりやすく解説|行政書士試験
行政書士試験の民法分野において、担保物権の中核をなすのが「抵当権」です。
とくに記述式では、
- 定義を正確に書けるか
- 具体例で説明できるか
- 性質(付従性・随伴性・物上代位性)を条文と結び付けられるか
が頻繁に問われます。
抵当権とは?【民法369条】
抵当権の定義
抵当権とは、
債務者または第三者が、占有を移転しないまま債務の担保に供した不動産について、
他の債権者に先立って弁済を受けることができる権利
をいいます(民法369条1項)。
ポイントは、
👉 占有を移転しない担保物権である点です。
具体例で理解する
- AがBに100万円を貸す
- 債務者Bが、自分の土地に抵当権を設定
もしBが返済期限までに返済しなければ、
債権者A(抵当権者)は、その土地を競売にかけ、
売却代金から優先的に弁済を受けることができます。
この間、
- 土地の占有者:B(所有者のまま)
である点が、質権との大きな違いです。
物上保証人とは?
抵当権は、債務者以外の第三者が設定することも可能です。
この第三者を、物上保証人といいます。
具体例
- AがBに100万円を貸す
- Bの親Cが、C所有の土地に抵当権を設定
この場合、
- 抵当権者:A
- 抵当権設定者(物上保証人):C
- 債務者:B
となります。
👉 債務を負っていないが、物で保証している人
これが物上保証人です。
抵当権を設定できるもの【民法369条】
抵当権の目的となるのは、次のものです。
- 不動産
- 地上権
- 永小作権
(民法369条1項・2項)
抵当権の効力の及ぶ範囲【民法370条】
抵当権の効力は、
抵当不動産そのものだけでなく、
その不動産に付加して一体となっている物
にも及びます(民法370条)。
付加一体物の例
- 取り外しが困難な庭石
- 土地に植えられた樹木
- 建物の扉・窓・固定設備
※ただし、建物と土地は別物である点には注意が必要です。
抵当権の3つの性質(超重要)
抵当権には、記述式頻出の3つの性質があります。
① 付従性
抵当権は、被担保債権がなければ存在できない
という性質です。
- 債権が消滅すれば
- 抵当権も自動的に消滅
します。
この抵当権と結び付いている債権を、
被担保債権といいます。
② 随伴性
被担保債権が移転すれば、抵当権も一緒に移転する
という性質です。
例:
- AがBへの貸金債権をCに譲渡
→ 抵当権もAからCへ移る
👉 債権だけが単独で移ることはありません。
③ 物上代位性
抵当不動産が、
別の価値に変わった場合でも弁済を受けられる
という性質です。
具体例
- 建物に抵当権が設定されている
- 建物が火災で消失
- 火災保険金が支払われる
この場合、抵当権者は
保険金から弁済を受けることができます。
ただし、
👉 保険金が支払われる前に差押えが必要
(民法304条1項)
抵当権の対抗要件【民法177条】
抵当権は、
登記をすることで第三者に対抗できます(民法177条)。
👉 登記のない抵当権は、第三者に主張できません。
抵当権の順位【民法373条】
同一不動産に複数の抵当権が設定された場合、
登記の前後によって順位が決まります(民法373条)。
- 先に登記 → 先順位抵当権
- 後に登記 → 後順位抵当権
先順位抵当権者から順に弁済を受け、
先順位が消滅すれば、次順位が繰り上がります。
被担保債権の範囲【民法375条】
抵当権で保証されるのは、
元本+利息です。
ただし、
- 他に債権者がいる場合
→ 利息は「満期となった最後の2年分」まで
(民法375条1項本文)
他の債権者がいない場合は、
利息全額が担保されます。
※この「2年制限」は記述式・択一ともに要注意です。
抵当権の侵害と救済
第三者による侵害
第三者が抵当不動産を損傷し、
その価値を下げた場合、抵当権者は、
- 妨害排除請求
- 損害賠償請求
を行うことができます。
抵当権設定者による侵害
債務者(抵当権設定者)が
故意に価値を下げる行為をした場合、
👉 期限の利益を主張できなくなります
(民法137条2号)
行政書士試験での学習ポイント(プラスアルファ)
- 質権との違い(占有の有無)
- 留置権との違い(優先弁済の可否)
- 物上保証人の位置づけ
- 物上代位は「差押え要件」まで書けるか
このあたりを比較しながら理解すると、
暗記量が一気に減ります。
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