根抵当権(民法398条の2)とは?をわかりやすく解説|行政書士試験

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根抵当権(民法398条の2)とは?をわかりやすく解説|行政書士試験

行政書士試験の民法・記述式で毎年のように狙われるテーマの一つが「根抵当権」です。
条文はシンプルに見えますが、

  • 被担保債権の範囲
  • 元本確定
  • 随伴性・付従性の例外

など、理解が浅いと記述で確実に失点します。

この記事では、
👉 根抵当権の基本構造
👉 記述式で書けるレベルの整理
👉 試験で差がつく+α知識

を、条文根拠付きでわかりやすく解説します。


目次

1.根抵当権とは?(民法398条の2)

根抵当権の定義

根抵当権とは、

将来にわたって発生する不特定の債権をまとめて担保するため、
不動産に設定される担保物権

です(民法398条の2)。

通常の抵当権は「特定の債権」を担保しますが、
根抵当権は取引関係が継続する場合を想定しています。


なぜ根抵当権が使われるのか?(具体例)

例えば、

  • 建設会社A
  • 金融機関B

が、長期の取引関係にあるとします。

A社は、

  • 資材購入
  • 運転資金

のため、年に何度も融資を受けます。

そのたびに

  • 抵当権を設定
  • 完済後に抹消

を繰り返すのは、
👉 手続もコストも非効率

そこで、
「この不動産は、最大〇円までの債務をまとめて担保します」
と決める制度が根抵当権です。

この上限額を
👉 極度額(きょくどがく)
といいます。


2.根抵当権の被担保債権の範囲(民法398条の3)

根抵当権で担保される内容

根抵当権が担保するのは、
確定した元本と、次の債権です。

  • 利息
  • その他の定期金
  • 債務不履行による損害賠償

これらすべてを、
👉 極度額を限度として
担保します。

根拠条文

民法398条の3第1項
「根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その権利を行使することができる。」

出典:e-Gov法令検索


数字を使った具体例(※試験向け)

  • 極度額:6,000万円
  • 融資額
    • 第1回:1,200万円
    • 第2回:1,800万円
    • 第3回:900万円
  • 未返済元本合計:3,900万円
  • 利息・損害金:450万円

👉 合計:4,350万円

この場合、
不動産が競売され、6,000万円で売却されたときは、
4,350万円について優先弁済を受けられます。

※ 極度額を超える部分は担保されません。


3.元本確定とは何か?

元本確定の意味

元本確定とは、

根抵当権によって担保される「元本の額」を最終的に確定させること

です。

確定前は、

  • 債権が増減
  • 利息も変動

してしまうため、
👉 競売や配当が不可能

そのため、
根抵当権を実行する前提として元本確定が必要になります。


4.根抵当権設定者からの元本確定請求(民法398条の19第1項)

設定者側からの請求

根抵当権設定者(例:建設会社A)は、
設定から3年が経過すると、
元本確定を請求できます。

この場合、
👉 請求から2週間経過で元本確定

根拠条文

民法398条の19第1項

※ あらかじめ元本確定日を定めている場合は、その定めが優先されます(同条3項)。


5.根抵当権者からの元本確定請求(民法398条の19第2項)

根抵当権者側からの請求

根抵当権者(金融機関B)は、
👉 いつでも
元本確定を請求できます。

この場合、
👉 請求した時点で即確定

根拠条文

民法398条の19第2項

試験では
「設定者=3年+2週間」「根抵当権者=即時」
と対比で覚えるのが鉄板です。


6.被担保債権の譲渡と随伴性の否定(民法398条の7)

元本確定前の債権譲渡

元本確定前に、
根抵当権者が被担保債権を第三者に譲渡しても、
👉 根抵当権は移転しません

つまり、
根抵当権には随伴性がないという例外です。

根拠条文

民法398条の7第1項

📌 記述式では
「元本確定前の根抵当権には随伴性が否定される」
と一文で書けるようにしましょう。


7.被担保債権消滅と付従性の否定(民法398条の7)

債務を完済しても根抵当権は残る?

元本確定前に、
設定者が債務をすべて弁済しても、
👉 根抵当権は当然には消滅しません

つまり、
付従性も否定されます。

これも通常の抵当権との大きな違いで、
記述で狙われやすいポイントです。


8.根抵当権の譲渡(民法398条の12)

元本確定前

元本確定前に根抵当権を譲渡するには、
👉 根抵当権設定者の承諾が必要

根拠条文

民法398条の12第1項


元本確定後

元本確定後は、
👉 設定者の承諾なく譲渡可能

ここも
「前=承諾必要/後=不要」
の対比で整理すると記述が安定します。


9.試験で差がつく+αポイント

  • 根抵当権は
    👉 398条の2〜398条の22までがセット
  • 記述では
    👉 「通常の抵当権との違い」を一言入れると評価が上がる
  • 随伴性・付従性は
    👉 「元本確定前のみ否定」と必ず限定する

まとめ|根抵当権は「構造理解」で得点源にできる

根抵当権は暗記ではなく、
仕組みを理解すると一気に楽になる分野です。

行政書士試験の記述対策では、

  • 定義
  • 条文番号
  • 例外(随伴性・付従性)

セットで書けるかが合否を分けます。

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この記事の監修者

大山 悠太(おおやま ゆうた) 大山 悠太(おおやま ゆうた) 大山ゼミナール代表講師

【経歴】
2014年12月:宅地建物取引士大学在学中合格(独学3ヶ月)
2016年4月:同志社大学法学部法律学科卒業後、新卒で不動産デベロッパーへ入社。入社後はマンション売買営業、人事部で新卒採用業務に従事。
2018年1月:行政書士試験合格(独学6ヶ月1日1時間1発合格)
2019年5月:退職後、リンクス綜合法務行政書士オフィス開業
2022年6月:行政書士事務所を経営しながら、司法試験予備試験短答式試験合格
2022年11月:司法試験予備試験論文式試験民法上位4.6%
2022年12月:行政書士試験オンラインスクール開校(大山ゼミナール)
2023年1月:行政書士法人クローバー法務事務所へ法人化
【日本行政書士連合会登録番号】
第19261116号

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