行政行為の「取消し」と「撤回」の違い

行政法|行政行為の瑕疵とは【行政書士試験対策・無料テキスト】
行政書士試験の行政法において、行政行為の瑕疵(かし)は極めて重要な論点です。
特に記述式問題では、
- 行政行為にどのような問題があるのか
- それが「取消し得る行為」なのか「無効」なのか
を、法律用語を用いて正確に説明できるかが合否を分けます。
本テキストでは、行政行為の瑕疵について、基本から具体的に解説します。
行政行為の瑕疵とは|基本的な意味
行政行為の瑕疵とは、
行政行為の成立過程や内容に、法的な問題点があることをいいます。
行政行為は原則として有効に成立しますが、
その過程や内容が法令に違反している場合、
「瑕疵のある行政行為」と評価されます。
行政行為の瑕疵には「違法」と「不当」がある
行政行為の瑕疵は、大きく次の2つに区別されます。
① 行政行為が「違法」である場合
② 行政行為が「不当」である場合
行政行為が「違法」である場合とは
【定義】
行政行為が法令に違反している状態をいいます。
具体例
- 法律の根拠がない処分
- 権限のない行政庁が行った処分
- 手続違反(聴聞・弁明の機会を与えない等)
- 裁量権の逸脱・濫用
違法な行政行為は、
取消訴訟などにより争うことが可能です。
行政行為が「不当」である場合とは
【定義】
行政行為が法令には違反していないが、妥当性・公平性を欠く状態をいいます。
具体例
- 同様の事案と比べて著しく重い処分
- 社会通念上、著しく合理性を欠く判断
不当な行政行為は、
- 原則として裁判では争えない
- 行政内部での是正(上級庁の監督)に委ねられる
という点が重要です。
👉
違法=司法審査の対象
不当=行政内部統制の問題
という区別は、必ず押さえましょう。
行政行為の瑕疵の種類【試験頻出】
行政書士試験では、瑕疵の「程度」による分類が重要です。
① 取消しうる行政行為
【定義】
行政行為に違法はあるが、
重大かつ明白とまではいえない場合をいいます。
特徴
- 原則として有効に成立
- 取消されるまでは効力を有する(公定力)
- 取消訴訟により争うことが可能
👉 実務・試験ともに最も多い類型です。
② 無効な行政行為
【定義】
行政行為に重大かつ明白な瑕疵がある場合をいいます。
具体例
- 明らかに法律の根拠が存在しない
- 権限のない行政庁による処分
- 処分の名宛人が存在しない
効果
- 初めから効力を生じない
- 取消しを待たずに無効を主張可能
👉 キーワードは
**「重大かつ明白な瑕疵」**です。
行政行為の瑕疵と公定力の関係
行政行為には原則として公定力があります。
そのため、
- 違法であっても
- 取り消されるまでは
一応有効なものとして扱われます。
ただし、
無効な行政行為には公定力は及ばない
という点が重要です。
行政書士試験・記述対策としての学習ポイント
行政行為の瑕疵は、記述問題で次のような構成が頻出です。
- 行政行為に瑕疵があるか
- それは違法か、不当か
- 無効か、取消しうるか
この流れを、法律用語で説明できるかが問われます。
特に答案では、
「本件処分は法令に違反しており違法であるが、重大かつ明白な瑕疵とはいえないため、取消しうる行政行為にとどまる」
といった定型表現を使えるようにすることが重要です。
まとめ|行政行為の瑕疵は記述頻出テーマ
行政行為の瑕疵は、
- 違法と不当の区別
- 取消しうる行為と無効行為の区別
- 公定力との関係
という複数の論点が一体となった、行政法の核心分野です。
行政書士試験では、
「違法か」「不当か」「どこまで争えるか」
を論理的に説明できる力が求められます。
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