行政手続法とは?条文ごとに徹底解説|行政書士試験


行政手続法とは?条文ごとに徹底解説|行政書士試験

行政書士試験の行政法において、
記述式・択一式ともに極めて重要なのが「行政手続法」です。

行政手続法は、
👉 行政が国民に対して処分・指導を行う際の“ルールブック”
ともいえる法律で、
適正手続の原則を具体化した中心的存在です。

本記事では、条文番号ごとに重要文言を引用しながら
試験で問われるポイントを簡潔に整理します。

なお、詳しい条文ごとの逐条解説も別ページにてございますので、適宜ご参照ください。本ページでは条文の体系、仕組みを全体的に理解することを目的としているため、かなり簡潔に記載しております。


目次

行政手続法1条(目的)

条文(抜粋)

「この法律は、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。」

解説

行政手続法は、

  • 行政の恣意的判断を防ぎ
  • 国民の予測可能性を高める

ことを目的とする法律です。
**「公正」「透明性」「権利利益の保護」**は頻出キーワード。


行政手続法2条(定義)

条文(例)

「この法律において『処分』とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。」

押さえる定義(超重要)

  • 法令:法律・法律に基づく命令
  • 処分:行政庁の公権力行使
  • 申請:一定の効果を求める行為
  • 不利益処分:権利・利益を制限する処分
  • 行政指導:特定の者に対する非権力的行為
  • 届出:法定事項の通知
  • 命令等:政省令・告示など一般的ルール

👉 行政指導=非権力的行為という点は記述頻出。


行政手続法3条(適用除外)

条文(抜粋)

「この法律は、次に掲げる処分及び行政指導については、適用しない。」

ポイント

  • 刑事手続・国会手続などは除外
  • 行政不服審査法とは適用除外の範囲が異なる
    → 両法の比較は択一で狙われやすい

行政手続法4条(国の機関等に対する処分)

条文(抜粋)

「国の機関又は地方公共団体に対する処分で、その固有の資格においてされるものについては適用しない。」

解説

「固有の資格」とは、
👉 一般国民とは異なる公的立場
(例:国に対する国の処分)


行政手続法5条(審査基準)

条文

「申請により求められた許認可等については、審査基準を定めなければならない。」

原則

  • 審査基準の設定義務あり
  • 公表が原則

行政手続法6条(標準処理期間)

条文

「標準処理期間を定めるよう努めなければならない。」

ポイント

  • 努力義務
  • 迅速な行政の確保が目的

行政手続法7条(申請に対する審査・応答)

条文

「遅滞なく、当該申請について審査を行い、処分をしなければならない。」


行政手続法8条(理由の提示)

条文

「不許可処分をする場合には、理由を示さなければならない。」

👉 理由提示=原則義務


行政手続法9条(情報の提供)

条文

「申請者の求めに応じ、必要な情報の提供に努めなければならない。」


行政手続法10条(公聴会)

条文

「必要があると認めるときは、公聴会を開催することができる。」


行政手続法11条(複数庁関与)

ポイント

  • 申請者の手続的負担を軽減する趣旨

行政手続法12条(処分基準)

条文

「不利益処分の基準を定め、これを公にしておくよう努めなければならない。」


行政手続法13条〜26条(聴聞)

核心条文(13条)

「不利益処分をしようとするときは、聴聞又は弁明の機会を与えなければならない。」

整理

  • 重い処分 → 聴聞
  • 比較的軽い処分 → 弁明の機会

以降の条文(15〜26条)は、
👉 通知・代理人・閲覧・調書・再開・決定
といった聴聞の手続ルールを定めています。


行政手続法27条(審査請求の制限)

条文

「聴聞を経てされた不利益処分については、審査請求をすることができない。」


行政手続法28条(役員解任の特例)

ポイント

  • 特に重大な処分に対する手続的配慮

行政手続法29条・30条(弁明の機会)

条文(29条)

「弁明は、書面により行う。」


行政手続法32条(行政指導の一般原則)

条文

「行政指導は、相手方の任意の協力を前提として行われるものでなければならない。」

👉 非権力性・任意性が最大のポイント。


行政手続法33条〜36条の3(行政指導の統制)

  • 申請妨害の禁止
  • 不利益取扱いの禁止
  • 行政指導指針
  • 中止等の求め
  • 処分等の求め

👉 行政指導の暴走防止ルール


行政手続法37条(届出)

条文

「届出が法令に適合する場合には、当該届出がされた時に効力を生ずる。」


行政手続法38条〜45条(意見公募手続)

原則(38条)

「命令等を定めようとする場合には、意見公募手続を行わなければならない。」

👉 パブリックコメント
例外あり(緊急性など)


行政手続法46条(地方公共団体)

条文

「地方公共団体は、この法律の趣旨を踏まえ、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。」


【まとめ】行政手続法・重要ポイント整理表

分野原則例外・補足
申請審査基準・理由提示努力義務規定あり
不利益処分聴聞・弁明の機会軽微な場合は例外
行政指導任意・非権力不利益取扱い禁止
命令等意見公募緊急時は例外
全体公正・透明国民保護が目的

まとめ|行政手続法は「記述の宝庫」

行政手続法は、

  • 定義
  • 原則
  • 例外

が明確で、記述問題に非常に使いやすい分野です。

「どの条文が、誰を、どのように守るのか」

この視点で整理できれば、
行政法は一気に得点源になります。

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この記事の監修者

大山 悠太(おおやま ゆうた) 大山 悠太(おおやま ゆうた) 大山ゼミナール代表講師

【経歴】
2014年12月:宅地建物取引士大学在学中合格(独学3ヶ月)
2016年4月:同志社大学法学部法律学科卒業後、新卒で不動産デベロッパーへ入社。入社後はマンション売買営業、人事部で新卒採用業務に従事。
2018年1月:行政書士試験合格(独学6ヶ月1日1時間1発合格)
2019年5月:退職後、リンクス綜合法務行政書士オフィス開業
2022年6月:行政書士事務所を経営しながら、司法試験予備試験短答式試験合格
2022年11月:司法試験予備試験論文式試験民法上位4.6%
2022年12月:行政書士試験オンラインスクール開校(大山ゼミナール)
2023年1月:行政書士法人クローバー法務事務所へ法人化
【日本行政書士連合会登録番号】
第19261116号

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