民衆訴訟・機関訴訟(客観訴訟)とは?わかりやすく解説|行政書士試験

民衆訴訟・機関訴訟(客観訴訟)とは?わかりやすく解説|行政書士試験
行政書士試験の行政法では、
「誰のための訴訟なのか?」という視点が頻繁に問われます。
その中でも、受験生が混乱しやすいのが
民衆訴訟と機関訴訟です。
どちらも
👉 客観訴訟
👉 自分の権利救済が目的ではない
という共通点を持ちます。
この記事では、定義・具体例・条文構造を整理しながら、
記述答案でどう書くかまで踏み込んで解説します。
行政事件訴訟の全体像をまず整理
行政事件訴訟法上の訴訟は、大きく次の2つに分類されます。
主観訴訟と客観訴訟の違い
| 区分 | 目的 |
|---|---|
| 主観訴訟 | 個人の権利・利益の救済 |
| 客観訴訟 | 行政活動の適法性の確保 |
- 主観訴訟:取消訴訟、義務付け訴訟など
- 客観訴訟:民衆訴訟、機関訴訟
📌 ポイント
👉 民衆訴訟・機関訴訟は、
👉 「自分が被害者であること」を要しない訴訟
民衆訴訟とは?【定義と根拠条文】
民衆訴訟の定義
民衆訴訟とは、
国または公共団体の機関の法規に適合しない行為について、
選挙人たる資格その他
自己の法律上の利益にかかわらない資格によって提起される訴訟
をいいます。
根拠条文
行政事件訴訟法5条
民衆訴訟とは、国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟であって、
選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものをいう。
民衆訴訟を一言で言うと?
👉 「法律違反をしている行政を、市民の立場から正させる訴訟」
民衆訴訟の代表例①|住民訴訟(地方自治法)
住民訴訟とは?
地方自治法に基づき、
住民が地方公共団体の違法な財務会計行為を是正するために提起する訴訟です。
具体例
市長が違法に公金を支出し、自治体に損害を与えた。
住民は、まず監査請求を行い、
その後、必要に応じて
損害の回復等を求める住民訴訟を提起できる。
📌 試験対策ポイント
- 監査請求前置
- 住民であれば原告適格あり
→ まさに「自己の権利救済ではない」典型例
民衆訴訟の代表例②|選挙・当選の効力に関する訴訟
具体例
市議会議員選挙においてAが当選した。
しかしAは、選挙期間中に金銭を配布するなど
明らかな違法選挙運動を行っていた。
この場合、
👉 選挙人は
👉 当選の効力の無効を求める訴訟
を提起できます。
📌 ここでも
- 原告は「個人的被害」を主張しない
- 選挙の公正という公益を守る訴訟
→ 民衆訴訟の本質がよく出ています。
機関訴訟とは?【定義と根拠条文】
機関訴訟の定義
機関訴訟とは、
国又は公共団体の機関相互間における
権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟
をいいます。
根拠条文
行政事件訴訟法6条
機関訴訟とは、国又は公共団体の機関相互間における
権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟をいう。
機関訴訟を一言で言うと?
👉 「行政機関どうしのケンカを裁判所が裁く訴訟」
個人は原告にならず、
行政内部の権限争いが対象です。
機関訴訟の具体例
市長 vs 議会のケース
市議会がある議決を行った。
しかし、市長は
「この議決は法令に違反しており無効だ」
と考えた。
この場合、
- 原告:市長
- 被告:市議会
という形で、
👉 機関訴訟が提起されます。
📌 試験では
- 「行政機関相互間」
- 「権限の存否・行使」
というキーワードが決定打になります。
民衆訴訟と機関訴訟の比較【整理表】
| 項目 | 民衆訴訟 | 機関訴訟 |
|---|---|---|
| 原告 | 住民・選挙人など | 行政機関 |
| 目的 | 行政の違法是正 | 権限争いの解決 |
| 利益 | 公益 | 公益 |
| 根拠条文 | 行訴法5条 | 行訴法6条 |
試験で差がつくプラスαポイント
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👉 「主観訴訟ではない理由」を説明させる問題で
👉 民衆訴訟・機関訴訟は格好のネタになります。
記述式で使える定型表現
本件訴訟は、自己の権利利益の救済を目的とするものではなく、
行政活動の適法性の確保を目的とするため、
客観訴訟である民衆訴訟(または機関訴訟)に該当する。
この一文を書けるかどうかで、
答案の完成度が一段階上がります。
まとめ|「誰のための訴訟か」で瞬時に判断
- 民衆訴訟
→ 市民・住民が公益のために行政をチェック - 機関訴訟
→ 行政機関どうしの権限争い - 共通点
→ 客観訴訟/公益目的/自己の権利救済ではない
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