贈与(民法549条等)とは?わかりやすく解説|行政書士試験・記述対策

贈与(民法549条等)とは?わかりやすく解説|行政書士試験・記述対策
行政書士試験の民法で、
意外と差がつく論点が「贈与」です。
一見シンプルな条文ですが、
- 書面によらない贈与の解除
- 負担付贈与と契約不適合責任
- 定期贈与
- 死因贈与と遺贈の違い
まで広がると、一気に難易度が上がります。
記述式では「条文横断」で問われる典型分野です。
今回は、民法549条〜554条を体系的に整理します。
1.贈与とは?【民法549条】
まず条文を確認しましょう。
(贈与)
第549条
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
ポイントは3つ。
✔ 無償であること
✔ 与える意思表示
✔ 受諾が必要(合意契約)
具体例(数値変更済)
AがBに対して、
「預金300万円を無償で渡す」と申し出、Bが承諾。
→ この時点で贈与契約成立。
ここを「単独行為」と誤解している受験生は要注意です。
2.書面によらない贈与の解除【民法550条】
贈与は口頭でも成立します。
しかし――
第550条
書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。
ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
重要ポイント
① 口約束でも成立する
② しかし自由に解除できる
③ ただし履行済み部分は解除不可
具体例
CがDに「時計(時価45万円)をあげる」と口頭で約束。
まだ引渡していない場合
→ Cは解除可能。
しかし、既に引渡済みなら
→ 解除不可。
「履行が終わった部分」は守られます。
記述では「履行済み部分は解除不可(550条ただし書)」と条文付きで書けるかが勝負です。
3.贈与の効力【民法551条】
第551条1項
贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する。
出典:e-Gov法令検索
つまり、
特定時の現状有姿で引き渡せば足ります。
権利の贈与
例えば、
EがFに対して
「株式500株を贈与する」と合意。
→ 移転義務を負います。
負担付贈与の担保責任【551条2項】
負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。
ここが記述の重要ポイント。
通常の贈与では原則として強い担保責任を負いません。
しかし、負担付贈与では例外。
4.定期贈与【民法552条】
第552条
定期の給付を目的とする贈与は、贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失う。
具体例
GがHに
「毎月3万円を仕送りする」と約束。
これは定期贈与。
GまたはHが死亡
→ それ以降は効力消滅。
相続人には当然に引き継がれません。
5.負担付贈与【民法553条】
第553条
負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。
具体例
IがJに
「同居して介護してくれれば、土地(評価額1,200万円)を贈与する」と約束。
これは負担付贈与。
特徴
✔ 双務契約規定が準用
✔ 同時履行の抗弁権などが問題になる
✔ 契約不適合責任が限定的に発生
さらに、
受贈者が負担を履行しない場合、
贈与者は解除可能(最判昭53.2.17)。
この判例は記述で狙われます。
6.死因贈与【民法554条】
第554条
贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。
具体例
KがLに
「私が死亡したら、自宅(評価額2,800万円)を贈与する」と合意。
これは死因贈与。
7.死因贈与と遺贈の違い
ここは超頻出比較論点。
| 死因贈与 | 遺贈 |
|---|---|
| 契約(合意) | 単独行為 |
| 生前に成立 | 遺言で行う |
| 民法554条で遺贈規定準用 | 民法964条以下 |
混同すると記述で壊滅します。
8.行政書士試験で狙われるポイント
✔ 書面によらない贈与の解除
✔ 履行済み部分の扱い
✔ 負担付贈与の担保責任
✔ 双務契約規定の準用
✔ 定期贈与の死亡効果
✔ 死因贈与と遺贈の区別
9.なぜ贈与で失点するのか?
多くの受験生は、
「贈与=簡単」
と思っています。
しかし実際は、
- 550条の解除
- 551条2項の担保責任
- 553条の準用
- 554条の遺贈との関係
まで問われると混乱します。
丸暗記では対応不能というわけです。
10.理解型学習が不可欠
行政書士試験は知識量勝負ではありません。
✔ 理解する部分
✔ 暗記で足りる部分
を分けなければ、知識は崩れます。
贈与は典型的な「理解が必要な分野」です。
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